「江夏の21球」で貢献度を考える

プロ野球のペナントレースが開幕しました。
今年もたくさんのドラマが産まれるのでしょう。
今年は1回くらいは観戦しに球場まで
足を運びたいと思います。

日本のプロ野球は80年以上の歴史があります。
王さんの日本シリーズサヨナラ3ランや
昭和60年阪神のバックスクリーン3連発、
イチローの210本安打など
ドラマはたくさんありますが、
日本シリーズでの江夏投手のピッチングで
とてもドラマチックな試合があります。

後に、山際淳司さんに
「江夏の21球」としてノンフィクション小説で
書かれてとても有名になった試合。

日本シリーズ7戦目
広島3勝、近鉄3勝で迎えた最終試合。

4対3広島優勢で迎えた9回裏近鉄の攻撃。
当時、広島の抑えだった江夏投手は
ノーアウト満塁といった絶体絶命から
抑えきり広島が優勝した試合。

とても有名な話なので
知ってる人は多いとは思います。

この9回裏のドラマには
たくさんの裏話があります。

1アウトをとったときのこと。

抑えの江夏投手と心中する気でいつつも
万が一、延長戦になったときに備え
ブルペンへ次の投手の準備を指示した
広島 古葉監督。

その様子を見て
「俺と心中する気じゃなかったのか?
最後に俺を信用しないのか?」と憤り、
もうやる気をなくしかけた江夏投手。

その江夏投手の顔を見て、
緊張の糸が切れかかるのに気づいた際、
マウンドまで近寄り
「気にするな、オマエが辞めるなら
俺も辞めるから。」と
連続試合出場継続中なのに
そう言って守備に戻った衣笠選手。

結果、8回日本シリーズに
監督として出場するも8回敗退した
悲運の闘将、近鉄 西本監督。

西本監督が一番、日本一に近づいたこの試合。
勝負でスクイズのサインを出したものの
江夏投手に外され失敗し、
広島が日本一を決めたこの試合は
プロ野球史上、3指に入る試合と言われています。

熱い思いの衣笠選手もスゴイ。
あの場面でスクイズで1点を取りにきた
西本監督もスゴイ。
心情はどうであれ、最悪の事態にも備えた
古葉監督の決意もスゴイ。

そして、カーブの握りのまま
投げる瞬間にスクイズに気づき、
外角高めへ外してスクイズを見破った
江夏投手もとてもスゴイのです。

こうして、このドラマを振り替えると
江夏投手を筆頭に
ものすごい駆け引き、ドラマがあります。

こうして、このドラマは
後世、語り継がれていくのですが、
こんな感じでスポットライトを浴びることが
ないままでしたが、
個人的に、実は水沼捕手が一番スゴイと思うのです。

走ってくるランナーが見えたとき、
江夏投手を信頼し、外すために
とっさに立ち上がったこと。

「水沼なら受けてくれる。」と
江夏投手が信頼していたこと。

全然、スポットライトを浴びてないですが、
地味ですけど、このドラマでは水沼捕手が
実は一番の貢献度のある
ヒーローのような気がするのです。

地味だったり、
裏方だったりして目立たず
最大の貢献をしても
どうしてもチーム内では
活躍がわかってもらえにくい人がいます。

華がある人のほうが目立ちますから、
仕方ない部分もあります。

でも、監督や社長、リーダー達は
そういった人の貢献を見落とさず、
一言でいいからきちんと労ってあげてほしい。

そんなチームはいつまでも続くように思います。

お金の評価も嬉しいでしょうけど、
言葉の評価、態度の評価なくしては
結局は満足できないわけで、
そのことを大事にする
リーダーでいるかどうかは、
いつもチェックしていかないといけないですね。

真のリーダーであるのなら・・・。