量稽古

最近、仕事をするなかで
量稽古の必要性を感じることが多いです。

量稽古というと今の時代、
「長時間労働を推奨しているのか?」
みたいニュアンスで取られたりするので
話しづらいのですが、
あえて話してみたく書くことにしました。

成果や実績は
「質」×「量」の結果といった
ニュアンスでよく言われます。

とはいっても「質」そのものが
「量」を増すことで上がることは
練習の必要性からみてもわかります。

ランチェスターの法則でも
量の重要性は書かれているわけですが、
かといってやみくもに
やってみたからいいものではありません。

少なからず、基本
(挨拶や相手を敬う姿勢、常識、
基本的知識など)が身についてこその
スタートなわけですが、
そこからはがむしゃらにやってみること
そして、それをやってみた先に
初めて「気づき」が生まれてくるのでは
ないでしょうか?

落合博満 元中日監督が
それをとても上手に言われていました。

「プロ野球選手には、何も考えず
バットを振る時期が必要だ。
140試合バットを振れる体力がついて
初めて考えて振れるようになる。」

「なるほどな~。」と唸ったわけです。

営業コンサルタントの藤本篤志さんは
これまでの経験の中から
「一人前の営業になるには1万時間以上必要」
と言われています。

1日4時間の営業量×250日×10年=1万時間。

今の時代、こういった負荷がかかることを
言ってはいけない風潮になりました。
捉え方が変わり、誤解を招くことも多いです。

でも、こうした考えも
決して間違ってるとも思えない部分もあります。

成長には負荷はつきものなわけですが、
見えているある一部分だけで
なにかしらの負荷をかけたときに
なんでもかんでも、やれブラックだなんだと
言われてしまうことってとても怖いです。

逆にチャレンジするきっかけが
少なくなってきた風潮に
もったいないように思っています。

成長できるチャンスが少なくなって
かわいそうともいえるかもしれません。

「強制はダメだけど自発的ならいいのか?」
と言う部分も捉えようでは、
どっちの価値感になるかわかりませんから
軽はずみは発言は気をつけないといけません。

運がよくて成果を出した人もいますが、
そんな人でも努力はしたからの成果なわけで、

そう思えば、
誤解を恐れずに言わせてもらうと
「人生において、成長において、
いつかの瞬間には量稽古は必要である。」
と思うのです。

それを誤解無く受け止めて欲しい。

20代30代といった
これからの若い世代の皆さんにも
たとえ説教じみていたとしても
きちんと伝えていきたいと思っています。

なので、そのことを説教じみずに
伝えらられるように今、
私もそのことの量稽古中です・・(笑)。

「江夏の21球」で貢献度を考える

プロ野球のペナントレースが開幕しました。
今年もたくさんのドラマが産まれるのでしょう。
今年は1回くらいは観戦しに球場まで
足を運びたいと思います。

日本のプロ野球は80年以上の歴史があります。
王さんの日本シリーズサヨナラ3ランや
昭和60年阪神のバックスクリーン3連発、
イチローの210本安打など
ドラマはたくさんありますが、
日本シリーズでの江夏投手のピッチングで
とてもドラマチックな試合があります。

後に、山際淳司さんに
「江夏の21球」としてノンフィクション小説で
書かれてとても有名になった試合。

日本シリーズ7戦目
広島3勝、近鉄3勝で迎えた最終試合。

4対3広島優勢で迎えた9回裏近鉄の攻撃。
当時、広島の抑えだった江夏投手は
ノーアウト満塁といった絶体絶命から
抑えきり広島が優勝した試合。

とても有名な話なので
知ってる人は多いとは思います。

この9回裏のドラマには
たくさんの裏話があります。

1アウトをとったときのこと。

抑えの江夏投手と心中する気でいつつも
万が一、延長戦になったときに備え
ブルペンへ次の投手の準備を指示した
広島 古葉監督。

その様子を見て
「俺と心中する気じゃなかったのか?
最後に俺を信用しないのか?」と憤り、
もうやる気をなくしかけた江夏投手。

その江夏投手の顔を見て、
緊張の糸が切れかかるのに気づいた際、
マウンドまで近寄り
「気にするな、オマエが辞めるなら
俺も辞めるから。」と
連続試合出場継続中なのに
そう言って守備に戻った衣笠選手。

結果、8回日本シリーズに
監督として出場するも8回敗退した
悲運の闘将、近鉄 西本監督。

西本監督が一番、日本一に近づいたこの試合。
勝負でスクイズのサインを出したものの
江夏投手に外され失敗し、
広島が日本一を決めたこの試合は
プロ野球史上、3指に入る試合と言われています。

熱い思いの衣笠選手もスゴイ。
あの場面でスクイズで1点を取りにきた
西本監督もスゴイ。
心情はどうであれ、最悪の事態にも備えた
古葉監督の決意もスゴイ。

そして、カーブの握りのまま
投げる瞬間にスクイズに気づき、
外角高めへ外してスクイズを見破った
江夏投手もとてもスゴイのです。

こうして、このドラマを振り替えると
江夏投手を筆頭に
ものすごい駆け引き、ドラマがあります。

こうして、このドラマは
後世、語り継がれていくのですが、
こんな感じでスポットライトを浴びることが
ないままでしたが、
個人的に、実は水沼捕手が一番スゴイと思うのです。

走ってくるランナーが見えたとき、
江夏投手を信頼し、外すために
とっさに立ち上がったこと。

「水沼なら受けてくれる。」と
江夏投手が信頼していたこと。

全然、スポットライトを浴びてないですが、
地味ですけど、このドラマでは水沼捕手が
実は一番の貢献度のある
ヒーローのような気がするのです。

地味だったり、
裏方だったりして目立たず
最大の貢献をしても
どうしてもチーム内では
活躍がわかってもらえにくい人がいます。

華がある人のほうが目立ちますから、
仕方ない部分もあります。

でも、監督や社長、リーダー達は
そういった人の貢献を見落とさず、
一言でいいからきちんと労ってあげてほしい。

そんなチームはいつまでも続くように思います。

お金の評価も嬉しいでしょうけど、
言葉の評価、態度の評価なくしては
結局は満足できないわけで、
そのことを大事にする
リーダーでいるかどうかは、
いつもチェックしていかないといけないですね。

真のリーダーであるのなら・・・。

球際に強い人

今日で1月も終わります。
あっという間ですね。

今日は上棟に顔出ししてきたのですが、
風が無く、日光が差していつもより
暖かい1日でした。

明日から「プロ野球」はキャンプインですね。
走りこみや守備練習、打撃練習としていき
春からのペナントに向けて準備がスタートします。

歳をとってきてから
野球を見る目もすっかり変わってきて
一層、守備が上手い選手、勝負強い選手が気になります。

こういった選手たちのどこが好きなのか
自問自答してみたら
「球際に強い」それに尽きるように思います。

野球に限らず、サッカーでもなんでも球技では
「球際に強い」ことはとても大事なことです。

日々の練習でも
「取って当たり前の球」は取れて当然だし、
「どうやっても取れない球」は取れなくてもOK

でも、
「取れるかどうかギリギリの球」を取れるか
「打てるかどうかギリギリの球」を打てるか
「奪えるどうかギリギリの球」を奪えるか
そこの範囲を広げれるかどうかが練習だとすれば
劇的に飛躍することのない地道なものだし、
だからこそ基本練習が大事だという考えに
つながっていきます。

例えば、チームにおいて
戦術が機能したり、戦略が素晴らしいものであっても
選手がその「勝負どころギリギリの戦い」で
力負けしてしまえば、
チャンスでなくピンチになってしまうのです。

もちろん、戦術や戦略は大事ですし、
方針やビジョンも大事です。
でも、それを活かすのも勝つのも
究極は「球際の強さ」が前提なら
もっと基本的な練習が大事になるわけです。

営業といった仕事で言えば
「ロープレ」とか「反復練習」でしょうし、
もっと基本的なことで言えば、それは
「挨拶」だったり
「ねぎらい」だったり
「敬意を持つこと」だったりするわけです。

「チームワーク」はそこから機能しますから。

「球際の強さ」というのは、
戦術よりも基本的で、なおかつ重要なものです。

「戦術」はノウハウやマニュアルなど、
お金で買えることもあるかもしれませんが、
「球際の強さ」はお金では
なかなか買えないものなのかもしれません。

「じゃあ、どうしたらいいのか?」

明日の朝、
起きて家族に出逢ったら
家を出て近所の人に出逢ったら
会社に来てみんなに出逢ったら
大きな声で「おはよう!」って言うことから
すべては始まるような気がします。

だって、人生において「球際に強い人」って
みんな、気持ちいい挨拶をしてくれている人なのは
共通していますからね。

人それぞれには 自分に向いたやり方がある。

今朝の気温は姫路で-5℃でした。

かなり寒かったですけど、
朝7時半に車のエンジンをかけに出たとき
短パン、薄めのパーカー、靴下は履いて
サンダルで歩いていたら
近所の小学生たちに二度見されました(笑)。
おじさんは、今日も頑張ります!

さて、私はいろんな話をするときに
よく野球に例えます。
比較的メジャーなスポーツな事もあり、
みなさんルールもよくご存知。
なので、よく多用します。

例えば、何かをするときに
いくつかの方法があるとします。
Aさんは①の方法を
Bさんは②の方法を薦めてきます。
AさんもBさんも実績はある人なので、
おそらくどっちも効率的な方法です。

でも、どっちかいいかわかりません。
どうしたらいいですか?
といった事があったときどう考えますか?

これって仕事しててもスポーツしてても
指導者によっていろんな考えがあります。

私は、どっちが正解ってわけでなく
「型」の問題なので、
自分にはどっちがあうかを
アドバイスしてもらう事をお話します。

これって当たり前のようですが、
実は、アドバイスするほうが自分が正しいと
向いていても
折れてくれないケースが多く
アドバイス受ける側も結構困ること多いです。

90年代の日本のプロ野球界には
西武 伊東勤、ヤクルト 古田敦也といった
素晴らしい実績にある捕手がいました。

打撃、強肩、華といえば古田選手ですが、
伊東選手は20年Aクラスにい続けた
安定性があります。

好き嫌いを別にしたら
どっちがスゴイかなんて
なかなか決めれない難問だったりします。

私は野球好きでもド素人なので、
何が違うのかわかりませんでしたが、
当時読んだ本に書いてあった説明をよんで
すごい納得したことがありました。

それは2人はリードする基準が違うということ。

伊東捕手は受ける投手の
その日、一番いい球種を軸に組みたてる捕手。
ストレートが走っていたらストレート。
曲がりがよければカーブ。
一番いい球をどれだけ活かせるかといった
基準で組み立てをされていたそうです。

反面、古田捕手は
相手の苦手な球種、コースをこれでもか?と
突いてくる組み立てをする捕手。
相手が外角へ逃げる球が苦手なら初球からでも
責めてくる組み立てをされていたそうです。

これがどっちが正解ってわけでない
「型」の違いであるといったお話。

人にはそれぞれ向いたやり方があるとすれば、
この方法に向いた投手は
その球団で活躍できるわけです。

もしかしたら、一方で活躍できなかった投手も
逆の球団、というかタイプのちがう捕手で
あったなら
野球は「投手力が9割だ!」ということを思えば、
活躍されたかもしれません。

「常勝チームには固定された正捕手がいる。」
野球界にはこんな定説があります。

でも、これはその捕手の
投手のよさを引き出す力が
あったからかもしれませんが、
固定された捕手の型(会社でいう方針など)に
沿った選手で揃えたほうが活躍できる
といった考えになると思います。

逆にその型に沿わなければ
なかなか自分を活かしきれませんし、
活躍することは難しいです。

大きな方針は会社でもチームでも
なかなか変えれるものではありませんが、
業務の進め方や仕事のやり方は
人それぞれにあったやり方を各自
見つけられたときに
そのチームは活性化して
素晴らしい成果を出すと思います。

嘘をつかない。
手抜きをしない。
正義感を持つ。
誠心誠意取り組む。
一生懸命やる。

いつの時代でもどんな仕事でも
大切しないといけない思いは一緒ですが、
それを活かすやり方は
会社の数だけ、人の数だけあるのならば、
絶対的な正解はないというのも事実。

かといって何十個もあっても困ります(笑)。

ただ、そのメンバーにあった方法として、
そのチームには2つや3つ
あってもいいのかもしれません。

山を登ることが 絶対的な目標 だとしても
歩いて登るのか
車で登るのか
ロープウェイに乗るのかは
手段は時期や背景、予算、
なにより 人 によって変わりますから。

「継続することは変化し続けること」
といったお話の根っこも
実は似ているような気がします。